土地 税金|更地にすると固定資産税は6倍に?更地にするメリット・デメリットと建物がある場合の軽減措置

土地や建物などの不動産は税法上の固定資産と見なされ、固定資産税が課せられます。このうち土地にかかる固定資産税は更地であるか否かによって税金の額が違ってくるので、土地所有者は税額の計算に関するルールを正しく知っておけば、節税につなげることができます。

手持ちの土地を更地にする場合のメリットとデメリット

敷地内に空き家などが建っている土地を所有している場合、その建物を取り壊して更地にするべきかどうかは判断に迷うところです。というのも、更地にすることはメリットとデメリットの両面があるからです。

一般に、建物が建っている土地と更地とでは、後者の方が売却しやすいと言われています。これは考えてみれば当然のことで、購入者にとっては何も建っていない土地の方が用途が広いからです。もし購入後に更地にするとなれば、建物の解体・撤去費用を余分に負担しなければなりません。

また、建物を所有し続けていれば、その維持管理に費用がかかります。更地にしてしまえば、その分の費用を節約することができます。

更地にはこれらのメリットがある一方で、デメリットもあります。それは、税金の負担が重くなることです。なぜなら、不動産の所有者にはには固定資産税という税金が課せられますが、建物の有無で固定資産税が変わるからです。

土地に対する税制では建物の有無で固定資産税が変わる

不動産に対する固定資産税は土地・建物の両方に課せられ、それぞれの課税標準額に税率を乗じた額を毎年納付します。税率は多くの自治体で1.4%となっていますが、異なる税率を採用しているところもあります。

この時、土地に対する税額の計算方法には特例があり、建物の有無で固定資産税が変わるようになっています。その内容は、その土地に建物が建っていれば税額が軽減されるが、更地の軽減措置は無いというものです。

建物がある場合の軽減措置を具体的に見ていくと、居住用の建物すなわち住宅が建っている土地のうち、敷地面積が200平方メートル以下の部分は固定資産税が6分の1に、200平方メートル超の部分は3分の1に軽減されます。これに対して更地の軽減措置は無いので、建物が建っているか否かで税金の額は最大6倍の差が出ることになります。

ただ、先にも述べた通り固定資産税は土地と建物の両方に課せられるため、建物部分の課税標準額が高いと建物がある場合の軽減措置を適用しても更地より税額が高くなるケースもあります。そのため、節税目的で建物がある場合の軽減措置を活用するかどうかは税額のシミュレーションが必要になります。

建物の取扱いには総合的な判断が重要

不動産に対する固定資産税では、更地の軽減措置は無いのに対し、建物のある土地には軽減措置があります。しかし実際の負担額は建物の価値がどう評価されるかによって変動しますし、維持管理費など税金以外のコストも無視できません。

そのため、建物を残しておくか更地にするかはさまざまなケースを想定したうえで総合的な判断を行うことが重要です。